研究組織

本領域では、比較的少数のニューロン集団からなり要素的な機能を持つような回路(=メゾ回路)を、神経系全体の機能を分解した基本単位としてとらえ、その構造と動作機構を解明することにより、脳神経系の機能を実際の回路の形態や配線に立脚して理解することをめざします。このため、3つの研究項目(A01~A03)を設け、以下のような戦略のもと研究を推進します。項目A01では「メゾ回路の基盤構造と動態」を、項目A02では「メゾ回路の自己書き換え」の背景にある回路の性質を、実験的に探ります。このため、メゾ回路の可視化、活動様式や機能的接続の解剖、摂動(様々な刺激パターンの強制的入力や特定の神経細胞の活動阻害など)等の実験を進めます。一方、項目A03は、メゾ回路を解析するための計算手法を開発するとともに、実験班が得た大量かつ複雑なデータから意味のある情報を抽出し、さらにモデル化を行うことにより、「メゾ回路の計算原理」を解明・実証します。以上の研究計画を軸とし、メゾ回路の特性を解明するとともに、ミクロ・マクロへの相互展開、病態脳や脳型デバイスへの応用など、計画研究を補完する優れた公募研究を採用し、メゾ回路を中心とした新しい脳神経科学の枠組みを構築することを目指します。