新学術領域研究
「メゾスコピック神経回路から探る脳の情報処理基盤」

領域代表者 東京大学・教授  能瀬 聡直

他の臓器と同じく分子と細胞からなる脳。その脳に、なぜ、高度な情報処理能力が宿るのだろうか。本新学術領域(H22~H26)では、分子遺伝・光生理・数理などの先端技術を融合的に適用することにより、脳回路の機能単位である「メゾスコピック神経回路(メゾ回路)」を同定し、従来不可能であった包括的な脳回路研究を推進します。脳の中からメゾ回路の細胞形態・神経活動・入出力関係のダイナミクスを抽出・分析し、これをモデル化することで、分子と細胞という物質基盤が複雑化を通じて情報処理機能を獲得するプロセスを探ります。本アプローチは、純科学的に脳の謎に迫るのみならず、メゾ回路の計算原理に基づく人工知能の開発やメゾ回路を介した疾患の新しい理解にもつながるものです。